誤嚥性肺炎とは…
誤嚥性肺炎とは…
『 肺炎』は日本人全死亡率の8%を占め、日本人における死因の第4位です。
また、肺炎で死亡する人のうちおよそ94%が、65歳以上の高齢者です。
高齢者の肺炎の70%が誤嚥と関連があるとされています。
『誤嚥』とは、唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことです。
具体的には、次のような場合に起こります。
・飲み込むとき、食べ物などが気管に入ってしまう。
(この場合はむせて気付きますが、睡眠中に唾液を少しずつ誤嚥することもあります。)
・睡眠中に、“胃食道逆流”により喉に逆流した胃内容物(胃液など)を、知らずに気管に吸い込んでしまうことがあります。胃内容物は酸や消化液を含んでおり、化学的に気道粘膜を損傷するため、肺炎が起こりやすくなります。
『誤嚥』により気管に入ってしまった食物や唾液に含まれた細菌が、気管から肺に入り込み、繁殖することで起こるのが『誤嚥性肺炎』です。
高齢者や脳梗塞の後遺症がある患者さんなど、飲食物を飲み込む嚥下機能が衰えている人に起こりやすい疾患です。
『誤嚥性肺炎の治療』には抗生物質を用いますが、徐々に菌が抗生物質に対して抵抗力をもってしまい、薬が効きにくくなります。よって『予防』に努めること、またかかってしまった際には完全に治すことが大切です。
具体的な予防策として、下記のようなことが挙げられます。
・口の中を清潔に保つ。
・食事の際は前かがみの姿勢で、食べ物をゆっくりよく噛んで飲み込む。
・食事にとろみをつける。
・胃液の逆流を防ぐには、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できる。