インプラント

インプラントとは、歯の抜けたところに人工の歯根(インプラント)を植え、あごの骨としっかり固定させた後、その上に人工の歯を装着させたものです。これにより取り外しの入れ歯の不快感がなくなり、天然歯と同等の力で噛むことが可能となる歯科分野において注目されている治療法です。

当院では、インプラント治療の特別なトレーニングを受けたチームにて、インプラント治療を行っております。必要に応じて麻酔医の立会いのもと、静脈鎮静麻酔下での治療を行うことも可能。静脈内鎮静法(セデーション)を行うことで、恐怖心や痛みなく治療が可能となります。

当院で行うインプラント治療

フラップレスインプラント

通常インプラントを埋入する際には、歯茎を切ってめくり、骨を見える状態にしてネジを埋入するという方法を取りますが、フラップレスインプラントは、歯茎をほとんど切ることなく、小さな穴を開けてインプラントを埋め入れる治療法です。

最小限の侵襲で済みますので、出血もほとんどなく、腫れることもほとんどありません。

CT撮影をし、そのデータ上でインプラント埋入のシミュレーションをした後、そのシミュレーション結果を反映したサージカルガイドというものを作製し、その道具に沿って直径4mm程度の穴を歯茎に開けるだけです。

歯茎を切ったり縫ったりする時間もいらないので、処置時間も従来の半分程度。インプラント1本いれる時間は約10分くらいで終了します。

サージカルガイドには、インプラントを最も安全に埋め込むことができる位置や角度などが正確に記録されていますので、より確実で安全な手術が可能となります。

イミディエイト・ローディング(即時負荷)~当院で可能な1日インプラント

通常のインプラントは仮歯装着まで2~6ヶ月かかりますが、イミディエイト・ローディングでは、インプラントを埋入した当日に仮歯までを装着する治療法です。

その日のうちに見た目の美しさと噛む機能を回復できるため、患者さまの負担は少なくて済みますが、高い技術を要する治療法のため対応できる医院は少ないのが現状です。

当院では事前のCT撮影による診査診断はもちろん、院内技工を併設しておりますので治療後の審美性についても万全の体制をとっております。

しかしながら、あごの骨量・骨質、歯茎など口腔内の状態のよっては即時負荷できないことがありますので、まずはご相談下さい。

All-on-4(オールオンフォー)

All-on-4(オールオンフォー)は、多くの歯を失ってしまった場合に、最小4本のインプラントの埋入で片顎すべての歯を固定することができる治療法です。

従来のインプラント治療では、片顎すべての歯を補うために約10本のインプラントを埋入しなければなりませんでしたが、All-on-4は埋入するインプラントを最小限に抑えられるため、費用や身体の負担も少なくて済みます。

総入れ歯の方でも、数本のインプラントを埋め込み入れ歯をしっかりと固定することで、天然歯と同等な咀嚼能力・審美性を取り戻すことができるため、入れ歯でお悩みの方にもおススメの治療法です。

また多くの歯を失っている方で骨が少なくてインプラント治療が困難な場合においても、骨量の多い場所を選んでインプラントを埋入するため、骨造成を行わずに済むケースも多いです。

インプラント埋入手術の当日に仮歯が入るため、「歯がなくて困る」「噛めなくて食べられない」ということもありません。

このような方におススメ
  • 総入れ歯が合わなくて困っている
  • インプラントにしたいが、費用が心配
  • 多くの歯を失っているが、食事を楽しみたい

ジルコニアインプラント

当院ではジルコニアインプラントに対応しています。現在、歯科治療で使用されているインプラントのほとんどは純チタン製です。

チタンは金属の中で最も生体に親和性があると言われている材料で、医科の分野においても骨折の治療などで使用されています。

ところが最近、チタンでも金属アレルギーの症状を起こす方がいるということが学会で発表されています。

チタンによるアレルギーは発症する確率は非常に低いのですが、絶対に安全という事ではありません。そこで、金属アレルギーのリスクが高い方の場合にはチタンの代わりにジルコニアを使用したインプラントをおススメしております。

ジルコニアは金属ではないため、金属アレルギーの心配は全くありません。

日本では、ジルコニアインプラントを行っている医院はまだ少ないですが、既に金属アレルギーをお持ちでインプラント治療をあきらめていた方は是非ご相談下さい。

他医院で断られた方も、ご相談下さい。

サイナスリフト

サイナスリフトとは、上あごの歯槽骨の薄い部分の上顎洞底部に、骨の移植をしたり、再生療法などで骨造成を誘導する治療法です。

サイナスリフトは、骨造成が多くできる事と、目で確認しながら手術できるというメリットがありますが、反面、手術の難易度が高い事、骨が出来るまでに6ヶ月~1年かかるため、患者様の精神的、肉体的な負担が大きい事というデメリットもあります。

その為、骨を多く再生する必要がある場合(歯槽骨の高さが5ミリ未満の場合)にサイナスリフトを使い、歯槽骨の高さが4ミリ以上ある場合は、次で紹介するソケットリフトを用いることが一般的です。

ソケットリフト

ソケットリフトもサイナスリフトと同じように、上あごの歯槽骨の薄い部分の上顎洞底部に骨を作る治療法ですが、サイナスリフトが歯が生えていた部分の側面の歯ぐきからアプローチするのに対し、ソケットリフトは歯の生えていた部分、もしくは歯を抜いた時に出来た穴からアプローチすると言ったその手法の違いがあります。

この手法を採用すると、骨の移植と同時にインプラントを入れることが出来るため、サナスリフトよりも短期間で治療を終えることができます。

ただし、骨を作れる範囲が限られるという事、治療を受けられる人が限られるというデメリットもあります。

再生療法(CGF)

CGF療法とは、患者さまご自身の血液を採血し、その血液から濃縮した血小板を採取して手術部位に填入することで組織再生を促す再生療法のことを言います。

採取した20~30CCの血液を、ある一定の速度で遠心分離することにより、血小板とフィブリンを多く含んだゲル状の自己血液由来成分が形成されます。

このCGFゲルは、従来使用してきたPRP (Platelet Rich Plasma)にかわる、新しい自己血液由来成分のゲル素材として再生医療分野での応用が期待されています。

血液中の凝固因子を刺激することで自然にフィブリンが形成されることで、従来のPRPとは異なり血液凝固剤等の他材料を混合する必要がありません。そして、サイトカインを多く含み、長時間ゲル状態を維持することができることで、手術部位の安定に大きく役立ちます。

患者さまご自身から採取する血液ですので、安心して使用できる技術です。

恐怖感をお持ちの方へ。麻酔専門医による静脈鎮静法も可能です

静脈内鎮静法(セデーション)とは、精神安定剤を静脈に点滴していく方法で、点滴開始後1~2分ぐらで眠ってしまう場合がほとんどです。

完全に眠っているか、まどろんだ状態で治療を行いますので、痛みや不快な音などはほとんど気にならなくなり、「いつの間にか治療が終わっていた。」と感じる方がほとんどです。

痛みが苦手な方はもちろん、どうしても手術が怖いという方や、歯科恐怖症の方でユニットに座ることすら困難な方の場合でもリラックスした状態で安全に治療を受けることができます。非常に専門的な知識が必要になってきますので、この治療法を取り入れている歯科医院はまだまだ少ないのも実情ですが、当院では麻酔専門医と連携し、ご希望に応じて処置を行っております。

今まで、歯科医院が怖くてまともに治療ができなかった。歯がボロボロになってしまった。という方もお気軽にご相談下さい。

万全の治療環境

インプラント専用オペ室

当院のオペルームは、完全個室として清潔な治療環境を整えています。天井には空気洗浄を行うエアシステムで浮遊する煤塵などを除去しクリーンな環境を維持しています。無影灯(手術用のライト)を完備し、生体モニターで治療中の身体状況の監視、静脈鎮静麻酔下での治療にも対応いたします。術前準備や治療効率を高めるよう配慮しながら、安全で安心な治療に臨んでいます。

CT解析

CT撮影のデータからコンピューターグラフィックスを使って3次元的な口腔内を再現することができます。

歯と顎の骨の形状、神経や血管の位置を正しく把握することでより確実に、そして安全性を高めることができます。

歯科用CTについて

サージテルシステム

視野拡大することによって、歯の細かなディテールや補綴物の装着・フィットの状態などを視ることが可能となり、より精密で高レベルな治療を行えます。

生体モニター

血圧 脈拍 呼吸 等を常時モニターする環境を備えております。

インプラント、一般的な装着までの流れ

インプラント埋入手術

新しい歯の根元になる部分(フィクスチャー)を顎の骨に埋込みます。

骨結合までの治癒期間

インプラントと骨がしっかりと結合して、咬合力の負荷に耐えられるようになるまで待ちます。

(およそ1.5ヶ月)

アバットメント連結

フィクスチャーの上にアバットメントを装着します。

歯肉が治癒するのを待ちます。

(およそ1~3週間)

人工歯冠・上部構造の装着

歯肉の治癒後、アバットメントにかぶせる人工歯冠(歯となるパーツ)を作製します。

型取りして歯の形を調整しながら周りの歯と色合わせして、最後に装着固定します。