歯が抜けた
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歯が抜けた
歯が抜けた時は、受傷後の対応が何よりも大切!
「歯をぶつけて歯が抜けてしまった。」際は、受傷後の対応がとても大切になります。ここで、抜けてしまった歯が保存出来るか出来ないかの分かれ道になるので、「抜けた歯は捨ててしまった…。」なんていうことのないようにしましょう。抜けた歯でもまだ生き返るチャンスはあるのです!!
歯が抜けた時の応急処置は牛乳・生理食塩水・ほっぺたに入れる
まずは、歯が抜けた時の応急処置からですが自宅などの場合、入手が容易な牛乳につけて保存する方法か(牛乳にアレルギーのある方はこの対応は禁忌になります)牛乳がない場合は生理食塩水に入れておきます。外で起きた外傷では、準備にも時間がかかるため、この場合は抜歯窩(歯が抜け落ちた所)または、ほっぺに抜けた歯を入れすみやかに歯医者さんに行きましょう。学校などには専用の保存液があることも。!!
歯を乾燥させないことで、歯医者さんで復活させることも可能。ただし、復活できない場合もあります。
接着剤でつける・歯の根元を手で触るは、絶対にやってはいけない
時間がない、などの理由で接着剤でくっつけることは絶対にやってはいけません。歯に菌が入るきっかけになったりするので非常に危険です。まわりの歯に悪影響を及ぼすこともありますまた、歯の根元の部分(“歯根膜”下に画像あり)は手で触らないようにしましょう。
歯の外傷率の高い年齢
歯の外傷は1才頃から増加傾向にあり、男女共に学同期の5・6才でピークを迎えます。これは、手足の発達や行動力も活発になる身体能力との関係性が考えられます。そのため、外傷患者の多くは、学校職員や保護者の方からの連絡が多くなっております。歯が抜け落ち「大変な事態になってしまった…!!」と慌てることのないように、患者さん自身もですが、学校職員の方や保護者の方も、応急処置を知っておけばいざというときにも役立ちます。
放置後に起こる症状
歯を抜けたままにしておくと、傷口から感染を起こす可能性があります。また、歯は隣接歯(隣り合う歯)対合歯(上下で噛み合う歯)があることにより、そのポジションに位置していますが、隣りの歯が喪失すれば、時間の経過と共に少しずつ傾斜(歯が傾く)してきます。対合歯の喪失であれば、もう片方の歯は、噛み合う相手を求めて挺出(歯が出てくる)が起きます。
歯1本の喪失から、噛み合わせが狂ってしまったりと歯列全体に影響を及ぼしかねないので、外傷後の放置は危険です。歯科クリニックでの適切な処置を受けることを強く進めます。
歯の外傷の種類
1)不完全脱臼(亜脱臼)
状態:歯自体の変位はないものの、わずかな揺れがあるもの。
2)完全脱臼
状態:歯が完全に支持組織から離れ、抜けたもの。
3)挺出性脱臼、側方性脱臼
状態:歯が曲がってしまうもの
4)埋入・陥入
状態:歯が歯茎の中にめり込んだもの
“ぶつかって歯が抜けた”は完全脱臼にあたります。
歯が抜けた時の正しい対応方法
歯の外傷は、痛みや腫れ、詰め物や被せものがとれたなどよりも、緊急性が高く、患者さんの歯が保存出来るかは、歯科クリニックのスムーズかつ適切な処置治療にかかっています。外傷の種類ごとに処置内容が違うため、治療を有効に進めるためには、患者さんの協力が必要になります。
まず、行うべきことは“歯科医院への連絡”
診療予約制をとっている歯科クリニックが多いため、予約なしでの受診も可能か電話で確認しましょう。
緊急性の高い脱臼は、予約がなくても最優先で診療してくれる歯科クリニックがほとんどです。
外傷患者の来院が多い歯科クリニックでは、迅速な対応ができるように、受け付け担当者の方が受傷状況の確認のため記録をとっています。
・氏名
・年齢
・生年月日
・受傷した部位
・受傷した日時
・受傷した場所
などを聞かれることが多いため、患者さん自身だけでなく、保護者・同伴者の方も把握しておきましょう。
歯が抜けた時の応急処置
歯科クリニックでは、受傷の連絡を受けた後、状況に合った応急処置を説明してくれますので、まずはそれに従いましょう。
学校には歯の保存液がある場合が多い
歯の完全脱臼(脱落)の場合、学校では歯の保存液を保有していることが多いため、保存内液に浸し来院します。
牛乳・生理食塩水・ほっぺたの中でも保存可能
牛乳(アレルギー持ちは✖)生理食塩水などでも可能。用意することが不可能な場合は抜歯窩(歯が抜け落ちた所)もしくは、ほっぺに脱落歯を入れすみやかに来院しましょう。
歯を乾燥させないことが重要です 接着剤でくっつけることも絶対に禁止
実際に歯医者さんで何をしてくれるか
まずは受傷部位、症状、薬剤アレルギーなどを担当の歯科医師が直接確認を行います。その後、パノラマX線写真と損傷を受けた特定の歯を撮るデンタルX線写真を撮影し、より詳しく損傷部位を検査します。損傷を受けた部位が歯牙だけではなく、顎骨・頬骨などのひびや骨折も疑われるような場合には、CT撮影が必要になるため、損傷の状況によって専門医療機関への紹介や精査依頼をお願いすることもあります。
歯を乾燥させないことで歯を覆う膜が生きていれば、機能が回復することもある。
歯を支える膜、歯根膜(しこんまく)
歯は歯槽骨と呼ばれる顎の骨に支えられていますが、歯と歯槽骨とをつなぎ止める役割をしているのが、歯の根本部分にある歯根膜です。
ともかく、歯を乾燥から守る
この歯根膜という組織は、乾燥に対して非常に弱く、口の外での生存は30分程が限界とされています。しかし、歯根膜が生きていれば再植(歯を元の位置に戻す)ができ、歯は再び機能を回復する可能性があります。そのため、歯を乾燥させないようにしなくてはなりません。
歯を乾燥から守る専用の液体もある
抜けてしまった歯を乾燥から守るものもございます。「歯の救急保存液」 ティースキーパー「ネオ」
標準価格:1600円ほどです
歯が抜けた時のまとめ
・乾燥から守るため、牛乳・生理食塩水・保存液・口の中などで保存する
・歯の根元(歯根膜)の部分は掴まないようにする。
・極力早く歯医者さんに行くこと
歯が抜けたからといって、慌てずに正しい対処法・応急処置を行いましょう。対処次第で歯を復活させることも可能ですので慌てずに。以上になります。最後までお読み頂き、ありがとうございました。お大事になさってくださいね。