歯科用CT

コンピュータを駆使しデータ処理と画像の再構成を行うことで、断層写真を得ることができる装置です。
歯科用CTとは、歯科に特化したCT装置で、コーンビームCTとも言われています。

用途は様々です。親知らずの抜歯、インプラント治療、矯正治療、歯の根の治療、歯周病治療など様々な治療の診断で大きな力を発揮します。
断層方式パノラマX線写真や口内法X線撮影法では判別できない、痛みや症状の原因の究明に役立ちます。

医科では1970年代よりCTが使用されています。しかし医科に比べて、歯科の分野の場合はミクロンレベルでの情報を必要とします。医科用のCTでは、歯科の分野においては満足のいくレベルの画像は得られませんでした。

歯科用CTとは、コーンビーム式のスキャンを行う事で、短時間のX線照射による、歪みの少ない繊細な画像を得ることができます。
しかしそれでも、通常のレントゲンに比べ被ばく量が多いため、すべての方に用いるわけではありません。 また当院の導入しているCT装置は被ばく量をかなり抑えているものです。当院では 患者様の了解を得てからCTをとりますので、ご安心ください。

使用例

抜歯

下の顎には太い神経と血管が走っており、特に下の親知らずの抜歯の時、傷つけないように注意が必要になります。

従来のレントゲンではこの太い神経・血管が鮮明に映らないことが多く、安全に抜歯するためにCTを撮影します。 また埋伏過剰歯を抜く場合にも使用します。

本来、人間は親知らずを含むと歯は32本ありますが、さらに余分な歯があることがあります。 この過剰歯のせいで歯並びが悪くなることがあり、抜歯をすることがあります。

歯が骨の中に完全に埋もれている場合、正確に歯の位置を確認するためにCTを撮影します。

インプラント治療

多くのインプラントは直径約4mm長さ10mmのチタン製のねじです。 このねじを完全に骨の中に入れることが長期にインプラントを機能させるために重要となります。

しかし歯周病などの原因で骨が少ないケースがあります。骨の量を確認するためにCTは必要となります。

下の奥歯にインプラント処置をする場合、下歯槽神経などの重要な神経を傷つけないために下歯槽管の位置を確認するために使用します。

上の奥歯にインプラント処置を行う場合 上顎洞と呼ばれる空洞の大きさや炎症の有無を調べるのに使用します。

インプラント治療について

矯正治療

矯正治療とは歯を移動して歯並びを良くしていく治療です。

元の歯並びによって違いますが 歯を大きく動かすと歯茎がやせてしまうことがあります。

矯正を開始する前に歯の周りの骨の量を確認し、矯正後に歯茎の退縮量を減らすための矯正方法を選択するためにCTを使用します。

矯正治療について

歯の根の治療

歯の根の治療時にCTを撮影することがあります。

何か月も治療が長引くケースの原因究明のためや、曲がった根の治療を行うときに根の長さや向きを調べるなど、様々な状況で利用します。

根のために使用するCTは細かいところまで映る必要があります。 よってインプラント治療を主に診断することを目的に作られたCTや医科用CTでは根の治療時に診断するのに利用するのは難しく、高性能の歯科用CTが必須となります。

歯の根の治療について

歯周病治療

歯周病は歯の周りの組織が少なくなっていく病気です。重度の場合になると歯はぐらつき、最悪抜けてしまいます。

CTを撮影することで、骨の状況を正確に確認できます。
現在、様々な方法で骨の再生が可能となってきております。 再生療法の成功率を高めるためにCTは重要な役割を果たします。

歯周病治療について

歯根破折治療

歯を失う原因の多くに歯が割れてしまうことによることがあります。

通常のレントゲンでは映らないようなヒビもCTに映ることがあります。

どうしても歯を抜きたくない場合ヒビを修復して歯を持たせることが場合によって可能であり、その折にCTを撮影することがあります。